柿渋は平安末期から続く伝統的な天然素材
柿渋は青い未熟な柿をつぶして圧縮してできた汁を発酵させた100%天然素材で、有害な化学物質は一切含まれていない塗料で、主成分は主に高分子のタンニンです。
昔は和紙に柿渋を塗って椿油を塗って1ヶ月くらい干しておくと撥水効果がでて番傘の紙になったそうです。
その他に、古来、鳥居の防腐、投網の防腐に広く使用されていました。
さらに、柿渋は人間にとっては無害であるどころか、昔から万能の民間伝承薬として使われていました。平安末期から桶・樽・団扇(うちわ)など、さまざまなものを長持ちさせる防水・防腐剤として使用されました。
近年、天然素材の安全性が見直されて、柿渋染めの染料や建築材の塗料として再び注目を集めています。
【柿渋を塗装する前】
【柿渋を塗装した後】
柿渋を実際に外部の柱に塗装している様子
誰でも簡単にできるため、ウェッジホームでは専門知識をもったスタッフ立会いの元、お施主様が施工しております。
いままで多くの方がセルフビルドとして行っており、中には小さなお子様でも施工しており、ご家族で塗られる方がとても多いです。
柿渋に含まれる「柿渋タンニン」のパワー
柿渋に含まれる「柿渋タンニン」が、シックハウス症候群の主な原因物質であるホルムアルデヒドを吸着・中和します。
空気中の有毒なVOCを24時間で約70%低減。危険な有害物質から家族と健全な室内環境を守る、シックハウス対策No.1の自然塗料です。
柿渋塗料は 防腐・抗菌性が高い
古くは法隆寺や薬師寺の建材に防腐剤として使われたと言われる柿渋。「柿渋タンニン」には高い抗菌作用があり、木材腐食菌の増殖を防ぎます。
また、屋内において健康に害を及ぼす恐れのある、大腸菌・白癬菌(水虫)・ブドウ球菌の増殖も防ぐ効果もあります。
まさに、湿度が高い日本の気候い・風土に合った自然塗料と言えます。柿渋には、伝統ある寺社に使われたほどの高い防腐性があります。
柿渋は優れた特質を持っており民間薬として効能があります
これは渋さの元であるタンニンが大きな役割を果たしています。昔から火傷・しもやけ・血圧降下・二日酔い防止・蛇、百足、蜂の解毒剤等に使われてきました。
生活に役立っていた柿渋
塗料としての役割も担ってきました「柿渋」。防水効果もあるため、番傘の上薬として。その他にも団扇や釣り糸、最近ではラケットの網の部分にも使われているそうです。
また、塗料としての柿渋は防虫・防カビ・防腐材として使います。柿渋を塗ったところに太陽の光をあてると、徐々に深い味わいの色味に変化していきます。
性能面もさることながらその風合いはペンキでは現せません。時間が経つほどにその価値を感じていただけることと思います 。
ちょっと柿渋の話
現在の住宅の防腐・防蟻・防カビ材が健康に及ぼす影響は、かなり大きいと思われます。
なぜなら、虫が嫌うもの、カビが嫌うもの、それを化学物質で製造しているからです。
虫が死ぬ化学物質が、人体に良いはずがありません。はたして自然素材で防腐、防蟻ができないのでしょうか。
自然界には、植物自身が虫、鳥、カビなどから身を守るための「技」を持ったものが数多く存在します。
たとえば、楠(くすのき)いわゆる樟脳(しょうのう)、馬酔木(あせび)などは、昔から殺虫剤として利用されていました。そして渋柿は、昔、鳥居や投網の防腐に広く使用されていました。
ウェッジホームでは、柿渋を防腐・防カビ剤として、また建具に独特の光沢を出す塗料として使っています。外部(バルコニー・柱)塗布用には、防水性を高めるためにベンガラを混ぜます。
Q:アトピー・アレルギーでも大丈夫ですか?
A:昔からあるもので自然界に存在しているものです。アトピー・アレルギーは基本的には反応しませんが、もし、心配でしたら、テストをおすすめしております。
Q:柿渋の石鹸と柿渋は同じ成分ですか?
A:はい、そうです。
Q:メンテナンス方法はありますか?
A:柿渋を単独で塗るとそうなる可能は高くなります。塗料がつかない方法もございますのでご相談ください。
Q:柿渋を使いたいのですが、あの臭いが気になります。臭わない柿渋はありますか?
A:無臭柿渋はあります。柿渋の臭いの元は主成分のカキタンニンではなく、発酵によって発生する不純物です。その不純物を取除いた柿渋は臭いません。
Q:塗料として使用する場合、どれ位の量が必要ですか?
A:材質、メーカーによっても若干の差はありますが、一般的には1Lで10平米一回塗りが標準になるかと思います。原液での2~3回塗りが適当かと思います。
Q:柿渋染をしたいのですが、量はどれ位必要ですか?
A:染め方、染める物の材質、染の濃度など様々な条件で異なってきますので、試験染をされることをお勧めします。
Q:柿渋にはどの様な色があるのですか?
A:柿渋は茶系(ブラウン系)の色しかありません。柿渋に色を付ける場合は「ベンガラ」などの顔料を混合して使用します。
Q:柿渋の品質保持期間はどれ位ですか?
A:柿渋は空気に触れて酸化することによって固まって行きますので、容器一杯の状態で密封され冷暗所で保管すれば日持ちします。
Q:柿渋を塗った後どのくらいで匂いがとれますか?匂いを消す方法はありますか?
A:柿渋の匂いは1~2週間をめどに徐々に消えていきます。
科学的な方法で匂いを消すのではなく、自然の方法で匂いをとる方がよいと思います方法として、窓をあけ、風の通り道を塗装した場所にもうけて、通風を心がけてみてください。また、匂いがない無臭柿渋もございますので、ご相談ください。